ひざ痛(変形性膝関節症)
膝が変形を起こし、そこに無理がかかると炎症が起こって、痛みが出るというふうに以前 書きましたが、一般的には、炎症が強くなったり、慢性化したりすると、関節液がたまってきます(もちろんほかのケースもありますが、それは次回に書きます)。
これを水がたまるといいます。
関節液自体は、膝を滑らかに動かすために必須であり、少しは必ずあるものですが、必要以上に多くたまってしまうと、ヒアルロン酸濃度が下がるだけでなく、中の圧が上がり、痛みを誘発します。
ですので、圧を下げるためには、たまった関節液を抜く必要があります。
すなわち、抜いたほうが良いということになります。
実際に、抜くだけでも、膝は非常に楽になります。逆に、そのままおいておくと、どんどんこじれてきます。
では、なぜ抜かないほうがよい、という風に考える人がいるのでしょう?
そのように考える人は、抜くと癖になるから抜かないほうが良いとおっしゃいます。
実際には、そのようなことはないのですが、たしかに抜いてもまたたまる人がいらっしゃいます。
抜いて、たまってを繰り替えるうちに、抜くからたまるのではないか?抜いたから癖になっちゃったんじゃないか?という風に考えるようになるんだと思われます。
たまったから抜いたわけで、抜いたからたまったわけではないのですが、何度も繰り返しているとそのように感じてしまうのも、仕方ないところだと思います。
そこで、抜いた後、またたまらないようにひと工夫が必要です。ただ、抜いただけだと、またたまってしまうことがありますので。
先ほど書いたとおり、膝の炎症が強くなったり、慢性化したりすることが、関節液がたまる大きな要因ですので、たまらないようにするには、炎症を抑えてあげる必要があります。
そこで、関節液を抜いた際に、ヒアルロン酸と炎症止めを注射します。
これで、炎症を抑えることができるので、水はたまりにくくなります。
もう一つ、たまった関節液を抜いたほうが良い理由は、抜けてきた関節液の性状が、診断の一助になるからですが、それについては次回に。