整形外科・リハビリテーション科・リウマチ科

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医学FAQ

股関節

人工股関節全置換術の手術適応

変形性股関節症にも、いろいろな手術法がありますが、今回は人工股関節全置換術に限ってその適応を書こうと思います。

変形性股関節症で一番困るのはやはり痛みです。もちろん、変形することにより、脚長差が出たり、股関節の動きが悪くなったりするのも困るのですが、やはり痛みが一番困ります。

しかし、変形がある人が、皆痛いわけではありません。

実は、われわれの調査によれば、重度な変形がある人でも、痛みを訴える人は、男性20%、女性50%程です(下図は痛みをもつ人の割合を示しています。3/4が重度な変形がある群です)。



手術の一番の目的は痛みをとることですので、痛みがない、もしくは日常で困っていないレベルなのに、手術をすることはありません。

いろいろな保存治療をしても痛みが取れなくて、日常に非常な支障が出て、ご本人が手術を強く希望した場合に、手術を検討するということになります。

ですので、基本的に手術に手遅れということはありませんので、じっくり考えて結論の出すのが良いと思います。

最近は、80歳代での手術も稀ではありません。

もちろん、いたずらに痛みを我慢していればよいとは全く思いませんので、保存療法をしても良くならず、痛みに耐えかねた時が手術のタイミングだと思います。