サルコペニア(筋肉減弱)
筋量の測定方法について、DXA法とBIA(インピーダンス)法というのがあるというのを書きましたが、いずれの方法も、年齢との相関があまり高くなく、痛みや運動機能との関連も、筋力ほどではありません。
これについては、年齢を重ねると、筋量はあっても筋力が発揮できない状況にあるのではないか、というのが一つの仮説ですが、実はもうひとつ仮説があります。
筋量が正確に測れていないのではないか??という仮説です。
もっと言うと、有効な筋量を測れていないんではないか??という問題です。
これについては、国立栄養研究所の先生が、素晴らしい論文を出しており、われわれも共同研究をさせていただいてます。
その先生によると、筋肉には細胞内液と細胞外液の二つがあり、細胞内液は有効な筋量の指標となるが、細胞外液はそうではないとのことなのです。
わかりやすく言うと、細胞内液がたくさんあるということは、みずみずしい 状態、細胞外液がたくさんあるというのは、むくんだような状態という感じでしょうか。
上の論文の左図を見ると、細胞内液は年齢とともに減っているが、細胞外液は変わってないのがわかります。
DXA法やBIA(インピーダンス)法の場合、細胞内液と細胞外液を両方合わせて測ってしまうため、年齢や運動機能との関連があまり出てこないということなのです。
では、どうすれば、有効な筋量を測定できるのでしょうか?
それについては、次回に。